2015-10-30
"スポーツ栄養コラム" 「バランスの良い食事とは?」
「バランス良く食べよう」と先生や指導者の方、家族などから教わったことはないでしょうか。
食事のバランスが大事だということは何となくわかっていても、
「なぜバランス良く食べる必要があるのか?」
「バランスの良い食事とは具体的にどのようなものか?」
といったところまで理解している人は少ないのではないでしょうか。
今回のコラムでは、食事をバランス良く摂取する方法や基本的な知識をお伝えします。
私たちは、食事を摂ることでエネルギーや栄養素を摂取し、日々の生命活動を営んでいます。
摂取される栄養素は、以下の5つの種類に大きく分けられます。
(1)たんぱく質
(2)脂質
(3)炭水化物
(4)ビタミン
(5)ミネラル
これらは「五大栄養素」と呼ばれ、身体づくりのためには欠かすことのできない栄養素です。
それぞれの栄養素には異なる働きがあるため、ある栄養素の摂取が不足すると、その栄養素が持つ機能を果たすことができません。
栄養素が不足した状態になると、運動時に必要なエネルギーの利用効率が低下して疲れやすくなったり、ビタミンなどの微量栄養素の不足で体調不良になったり、ウエイトコントロールに失敗したりと、運動時のパフォーマンスを低下させることにつながってしまいます。
したがって、バランスよく食事をし、五大栄養素が不足しないようにすることが、パフォーマンスの低下を防ぐために重要となります。
このように、栄養素が「不足しない」ことはバランスの良い食事の条件の1つです。
反対に、特定の栄養素が「過剰でない」ことも同じぐらい重要になってきます。
つまり、どんな栄養素もたくさん摂取すればよいというわけではありません。
必要以上の量を摂取すると必ず体に不調が生じるようになります。
たとえば、脂質はエネルギー源として大切な栄養素ですが、食べ過ぎると体脂肪として蓄積され、パフォーマンスの低下に繋がります。
炭水化物は、適正な摂取の範囲内であればグリコーゲンという貯蔵型のエネルギー源に変換されて蓄積され、運動時のエネルギー源として有効に利用されます。
しかし、過剰に摂取しすぎると体脂肪として蓄積されてしまいます。
たんぱく質も摂取しすぎると腎臓の機能を低下させる可能性が指摘されています。
このように、栄養素の"過不足のない食事"を実践していくことが重要です。
そのためには、好き嫌いなくさまざまな食べ物を摂取することが必要です。
肉料理やお菓子など、好きなものは多く食べるが、野菜や海藻、魚の料理などはあまり食べない......
というように、好き嫌いによって食べる量が変化してしまうと、特定の栄養素が不足したり、逆に摂りすぎたりしてしまいます。
このような食事が習慣化すると、当然栄養素の摂取バランスは悪くなってしまいます。
苦手な料理や食品はどんな人でも多かれ少なかれあるものですが、その数が多いほど栄養素の摂取範囲が狭まります。一つずつでも苦手を克服していく努力をしてみてくださいね。
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